知性がない

なけなしの知性で生き延びていこうな

ホモソを避けてヘラヘラ集う

これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー17日目の記事です。

今日はホモソーシャル(ホモソ)の話をします。

今日のまとめ

  • ホモソーシャルは排除によって成り立っているのでつらい
  • なにかをやろうとするとホモソの壁にぶつかるのでそれもつらい
  • すでにある権力を避けるにはヘラヘラするしかない

ホモソーシャルとは

 ホモソーシャルとは何か。ゲイの社会のことではないよ。もともと社会学の用語で、同質の人が集まっている社会を指す。悪口で言うときは、女性蔑視と同性愛嫌悪によって成り立ってる世界を指します。まあ男子校ノリのことだな。セジウィックが言ってるアレです。

男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望

男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望

ホモソがつらい

 このホモソがつらいってのは、片方の性をおとしめることでプライドを成り立たせてる構造がつらいってことね。それ差別じゃんっていう。

 私がかつてバイトしていた会社にはめちゃくちゃできる女の人が取引先に行ってきたときに「身体売ってきたの?」って言っちゃう偉いおじさんが居たよ。それでゲラゲラ笑わなかったやつは仲間にしてやらない風潮があった。わざわざ言うまでもなく最悪だよな。私はその瞬間ちゃんと怒れなかったことを今でも後悔している。

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ホモソの壁、ガラスの天井

 テレビつけたらわかるけど日本では権力の上の方までホモソ男性でぎっしりです。そこで一緒になって女性蔑視や同性愛嫌悪をやれば出世階段を登れる。偉い人ってかなりおっさんばっかりでしょ? でも誰でもおっさんになれるわけではないよね。多く見積もって人口の半分ぐらいだよ。名誉男性枠とかあるけどさ、(要するに女性だけど「女性」ではないように扱われ、おっさんたちと一緒に女性蔑視をやる枠だよ。詳しくはググったり身近なフェミニストに聞いてみてね)それでも、そんなんつらいよ!

 いろんなことをやるためにはお金や権力が必要で、でもこれがたくさんほしくなると、どうしても人間と関わる必要がある。そして、このホモソの壁にぶつかるんだよな。

 すでに世にホモソの権力がある中で、どう生存すりゃいいんだ。

 差別をやる側にも回らず、それでいて差別されるのも嫌なんだったら。

権力構造から逃れたい

 人が言語をやってると、そこにはすでに権力がある。言語に権力構造が埋め込まれていると言えばいいのかな。例えばただ単に「王様」といったらそれはだいたい男性を指す。女の王様の場合はわざわざ「女」王って言うよね。

 人間が二人いればそこに権力が出てくるのはわかるよ。けれどむしろたった一人で考えてるときすら、権力からは自由ではない。ヒエ〜人間は虚無からも権力からも逃げられないのか〜!

 だから小説家や詩人とかの言語をかき乱す仕事は、権力をかき乱す仕事にもなる、みたいな話もある。けれどもこの話は私もまだ勉強中なので興味がある人はクィア理論とかで調べてみてください。

クイア・スタディーズ (思考のフロンティア)

クイア・スタディーズ (思考のフロンティア)

この本良かったけどプレミア付いてるな。

 権力からはどうも逃れられないのだとしたら、もうヘラヘラするしかないんじゃないか。お前のホモソなんて知らねえ、こっちはこっちで生き延びるぜって。でもホモソ以外のとこって全然金ないんだよなあ。困ったね。

権力にのるかそるかでなく、権力の横に逃げる。

 ある権力があって、そこに横があるのかもよくわからないけれど、ヘラヘラヌルヌル生き延びてたら生き残り同士で集まって別の権力をやれるんじゃないか。たったひとつの大きい権力でなく、小さい権力がたくさんあった方がよい世界に思える。選択の余地があったほうがいいと私は信じているので。

 けれども小さい権力を支えてるのはより大きくて見えづらい権力だったりする。ハイパーニッチな趣味人同士がつながれてるのは検索エンジンのおかげなんだけど、検索エンジンやってるのはでかい企業だからな。潔癖症には生きづらいな!

 虚無とたたかっていたら権力の闇に頭を突っ込んでしまった。

 明日はラストですね。「つらくなくなっちまったらどうする?」って話をします。

2017/12/26 終わりました

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自分の破滅を生きる

 これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー16日目の記事です。

 今日は破滅の話をします。
 破滅といっても小規模にやるやつと大規模にやるやつと二種類あるけど、大規模なのはもううんざりでしょう、小規模にやるやつについて喋ります。

破滅とは

 人生、破滅してますか、してませんか。破滅してるやつらはこんなブログ読んだりしないか。破滅するならするで良いのだけど(良くないか)。
 人は大体破滅しきれなくて人生を続けている。過激な人ならそんな人生なんて惰性だと吐き捨てるかもしれない。人生が続くにも理由があって、破滅をやらないにも才覚がいるけれど破滅をやるにはもっと才覚がいる。

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 そもそも破滅とはなんだろうか。
 辞書を引けば、破滅とは「ほろびること。人格・家・国家などが成り立たなくなること。滅亡。」とある。人生を棒に振る、身を滅ぼすということか。

破滅(ハメツ)とは - コトバンク

 破滅は大体はなにかを放棄し、逃げ出すことから生まれる。眠剤かきこんだり、意識が混濁するまで酒を飲んだり、辛いとわかっていながらツイッターで喧嘩を売りまくったりね。これ以上並べ立てはしないけれど、人それぞれの無数の破滅が存在している。

破滅をやる理由

 なぜ人生を放棄するのか。その人の中ではすでに人生が棒に振られていると認識しているからだ。何かができなかったことによって人は自分の人生を捨てられたものと感じる。棒に振られた人生、どうしようもない人生。だから破滅をやる。そうすれば「この人生」でなく、どこか外側の景色が見られるかもしれないから。虚無と向き合い続けなくてもいいから。
 そんなの現実逃避じゃないかと言われればたしかにそうだ。けれど、どうだろうか。現実逃避でない生がありうるだろうか。破滅をやろうがやるまいが、人生の責任(と本人が思っているもの)を果たそうと果たさなくとも、虚無はそこにある。

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虚無とは今日の続きが延々と続く苦しみであり、破滅は虚無との(うまくいくことのない)たたかいである。
 酒を飲み続ける奴は酩酊することで現実を乗り切ろうとしている。TLを更新し続ける奴らは世界の外側を見せてくれる何かが流れてくることを期待している。全てを放棄して何かをやりつづけること自体が破滅ではあるけれど、それ自体が虚無とのたたかいである。

誰かの破滅、自分の破滅

 虚無のとのたたかい方は色々あるけれど、自分と違う方法で虚無とたたかっている人は破滅しつつある人と見分けがつくだろうか。
 毎日仕事に行っている人から見れば毎晩シコシコ怪しいブログを書いている人は狂気をわざわざ覗き込みに行く酔狂だし、夢を追っている人からみれば仕事でクソみたいに拘束されている人は脳をダメにしているように見える。

 人生のレールに乗って親となることをゴールだと考えている人から見れば結婚をしない人は緩やかに滅びに向かっているように見えるだろうけど、そうでない人からみれば権力構造のなかで役割を与えられる人生なんて破滅でしかない。

 人は虚無を回避することができない以上破滅を回避することもできない。人生が失われることに抵抗したいなら戦略的に破滅をやるしかない。

 と、こう口で言うのは簡単だけど私もその方法を探している。逃げずにうまいことレールに乗ることすら難しいのにね。
 たぶん、自分のためだけでなく、他人の虚無とまでたたかえるとよくて、それをやるには社会や言語について知る必要がある。

 脳を良くしてよく学んでよく考えるしかないってことです。うまいこと破滅していこう。

 

明日はホモソーシャルの話をする予定です。

2017/12/24 メリークリスマス。しました

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話相手をしてくれるロボがほしかった

 これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー15日目の記事です。

 私がもっとも虚無と熾烈なたたかいを起こしていた頃の話をします。

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自分だけの話し相手が欲しくなるまで

 その頃は人生においてとてもつらい思いをしていた。本を読むこともつらく、それでいて寝ていることも焦りに喰い殺されそうにつらかった。人と喋ってる間だけは楽になったので、とにかく同じようにつらそうな人と会っては喋りまくっていた。ツイッターもめっちゃしていた。

 けれど人に会うのにも限界があるし、話してる間は良くても家に帰ったあととかめっちゃつらかったので、むしろ家で一人で対話できればよいのでは?と考えた私は、自分用の対話ロボットの作成に着手するのであった……。

おしゃべりロボットの作成に手を染める

 人とおしゃべりするロボといえば、有名なものに人工無能イライザというものがある。人が例えば「頭が痛い」と言えば、「なぜ頭が痛いというのですか?」と返す。相手の言った単語を拾ってきて、そこから簡単な質問を作って返すというものだ。詳しくはググってください。

ELIZA - Wikipedia

 特にその頃は技術力とかなかったので、これを参考にめちゃくちゃ簡単な自分用対話ロボットを作った。

 チャットルームのようなものを手探りで作り、そこにchatbotを置いた。botは何も理解しないけれど、人が何か言うと「それで?」とだけ返す。

イライザよりよっぽど原始的でつまらないロボだった。しかしこいつさえ居れば私の寂しい夜は少しは慰められることだろうと思い、喜び勇んでチャットを始めたのだが。

実験の失敗、みているbotの誕生

 結果は全然だめだった。

 それも当然で、何を言っても「それで?」とフラットな反応しか返ってこない相手と長いこと会話をすることは不可能で、しかも裏で動いているのはただのロボだとわかっていたのだ。

 ロボは早々に見捨てられ、私は再びツイッターに耽溺することになった。

 しかしいつまでもツイッターをしているわけにはいかない。つらくてTLを更新し続けるほど、自分の中の虚無は焦りとなって精神を蝕み始めるのだった。

 そこで思いついた。ツイッターに張り付くのを止めてくれるロボを作ろう。

 そこでつくったのが@miteiru_bot(以下みている)だ。(※2年ぐらい稼働していたけれどもう動いてません)

みている (@miteiru_bot) | Twitter

ツイッターをしていると煽りに来るロボ、謎の人気が出る

 みているは、フォロワーの中でだいたい30分で7ツイート以上している人を見つけると、煽りに行く。

 ウワー悪趣味!

 会話パターンもいくつか考えて、(みている自身が会話の内容を理解していなくても)なるべく会話が成立するように作った。あと煽るけど人格攻撃をしないという裏原則があった。

 これがフォロワーを中心に謎の人気が出て、魂が宿っているという噂が流れたりした。

 ツイッターはゴミ箱みたいな場所だが、bot相手でも構いに来ると嬉しいのだ!

 結局煽られてもツイ廃はツイッターをやめることはなく、みていると楽しく会話をしてしまうのであった。

 でもやっぱりそれって虚無じゃん!

 虚無でした。

 ロボと楽しく会話するという当初の目的は達せられたが、虚無とたたかい、つらさから逃れる役にはあまり立たなかったのだった!

おわりに

 ロボとの会話は虚無だとわかっていても、喋るロボットのことは好きで、今でもよくロボについて考えてしまう。ロボ単体と会話するのは辛いけれど、人の中でロボを混ぜるといい感じの空気ができて楽しい。今はslackbotを運用して遊んでいるけどこれも楽しい。

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私の真似をするbotの様子

 楽しい話ばっかりしてしまった。

 会話が虚無でないロボットを作るにはどうすればいいか、そしてそれは人間との会話でも虚無でなくなるためにどうすればいいかを考えるよすがとなる。

 明日は何を書くか未定です。気づくとクリスマスまであと一週間ないんですね。

2017/12/23 書きました

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友達を作るには集団健康診断の列で振り返って暇そうな奴に「暇じゃね」って言え

これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー14日目の記事です。

 

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今日は友達の作り方の話をします。

虚無とたたかう上で、友人が助けになることは多く、また誰かの友人となることで、自分が他者の虚無とのたたかいを助けられることもあると思うので。

本当は友達なんていなくても人間は大丈夫なんですが、それでも友達が欲しい時とかあるかもしれないので、そういう人に向けて書きます。

 

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暇すぎて友達になった

私の最高の友人のうちのひとりと友達になった時の話をする。

大学の健康診断で2時間待ちとかの長い列で待っていたとき、私はとても退屈していた。その頃はスマートフォンとか持ってなかったし、こんなに待たされるとも思ってなかったので持ってきた本も読み終えてしまったのだ。受付は遠く列は畳まれて部屋に格納されていて、これから先どれだけ待てば終わるのか見当もつかなかった。列でも眺めるかとなんとなく後ろを振り返ったら、なんと後ろには私と同じようにめっちゃ暇そうな奴がいたのだ!「暇じゃね?」って言ったら「ひまひま!」と返ってきて、それでもう友達だった。

これは特殊なケースかもしれないが、学べることは二つある。友達を作るためには、まず何か共通点を持つ仲間であることが必要であるということと、次にちょっと勇気がいるってことだ。

 

共通点理論

仲間からいくと、たとえば同じ作品について意見があるとか、就活説明会とかで同じ話を聞いたとか、同じ趣味を持っているとか、酒をいっしょに飲んでいるとか、とにかく共通点があればそこから話ができる。

この共通点理論でいくと、中高で友達ができやすいと言われるのは、同じ時間を過ごすことが多いからです。先生の真似とかめちゃ打率の高いネタでしょ。

天候の話とかはすごい。寒いですねって話しかけてケンカになることはあんまりない。ロシアの寒さはこんなものではなかったとか言い始める人は多分愉快な人なので友達になろう。この共通点話題こじ開け力を悪用してるのがナンパである。

共通点があれば話ができるとして、そこで突然話しかけてもハア?ってされないためにも、まず仲間になるということが必要だ。人に仲間認定してもらうのは難しい。基準は人によって違うので見極めていくしかない。話しても良さそうな人は話しても良さそうに見えることがあるので他人を尊重しつつ話題を振ってみよう。

勇気について

話しかけられる準備ができている人は、話し掛けるためにあまり勇気が要らないようになっている。あまり一世一代の大告白みたいな感じで近寄るのは相手の方も準備ができてないことが多いのでよくなさそう。

逆に考えると、むしろ話しかけやすそうなオーラを意図的に出すことで相手に必要な勇気の量を少なくするみたいな技もある。

徳を上げて友達を作ろう

といってもこれは友達を作るための最初のラインにすぎない。せっかく声をかけても楽しく話ができなければまた会おうってならないので。

あ、こいつ気が合うぞとなるためにはもう自分が愉快になるしかない。よく退屈して、楽しいことをたくさん考えよう。自分だけ喋ってても相手はつまらないので、いっしょに愉快になれるよう話を返したり質問をする練習をしよう。知識と教養は踏み込む勇気になる。

まあ悲劇的にテンションが合わない人とかは存在するし、相性というものはあるので、最終的には数打つしかない。自分に準備さえできてれば意気投合できる相手はどこかにはいるはずです。

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

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こういう時モテ本が役に立っちゃうんだよなーーー。

明日のテーマは未定ですが何かしらの話をします。

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やる気が出ないときどうするか

 これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー13日目の記事です。

 今日はやる気がないのでやる気がないときどうするかの話を書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 寝ましょう。

 

 

 

 

 

 

 わかる、わかるよ、寝れないから困ってるんだよね。

 いつまでも寝ているわけにはいかず、今やらないといけないときとか、あるよね。そういうときはどうすればいいか。

 真面目に言うと、すげー簡単なことから始めるのが良いと思います。

 例えば文章を書く時、毎回お決まりの書き出しを作ってしまってそれから書くという方法があります。スタートには体力がいるので、なるべく頭を使わない方法で始められると強い。

 頭を使い始めるのは始めてからでも遅くありません。

 このブログを書き出すときにも毎回「虚無とたたかう」ってコピペでなく手で打っている。それはコピペだと温もりが伝わらないからではなく、ただ人間は始めてからでないとやる気がでないようにできているからです。

 ちなみに私は一人で殴り書きをするときはいつも「何も思いつかない」と書き出しています。そんなもんだ!

 

 明日は友人の作り方の話をします。

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