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知性がない

なけなしの知性で生き延びていこうな

最近ふれたもの

最近面白いものをたくさんみたので書いた。

キャロル 


映画『キャロル』予告編 90秒ver

意志が弱い女が強い女との恋愛を経て意志が強くなる映画。 ババアが強くてガツガツしててよかった。映像もきれいだった。同じくレズビアンの恋愛映画だったアデルと比べると、若い方の女にも意志があるし、映像もの美しさも、一瞬の美を切り抜いた写真的美しさだけでなく、映像的な美しさもあってキャロルのほうが見応えがあったように思う。

やがて君になる

 面白いマンガは1話目から面白いという法則がある。この作品はすごくて、刺さる人にはもうズッギャーーーンとささるし、それぐらい切実な問いを持っている。後で詳しく書く。 (webで1巻の80%ぐらいが読めるらしいので読んだほうが良い)

電撃コミック大賞金賞受賞作家作品『やがて君になる』特設サイト | 月刊コミック電撃大王公式サイト

ジョジョ第3部

派手で、おどろおどろしくて、かっこいい。89年からの連載だったようだが、この時点でこんなにおもしろい能力バトルが完成されていたら、私も90年台のクリエイターだったら途方に暮れていたかもしれない。 カラー絵が極彩色で脳に良い。 本当に、90年台のかっこよさ全てがジョジョから始まっているように見えたし、あの時代で何かを理解したくなったら再読しよう。 *1

ある島の可能性 ミシェル・ウェルベック

 人口が激減した未来。死んだ直後に自分のクローンが生成され、実質的に死という概念がなくなった、人々が二度と直接会わずに暮らすようになった世界で、クローンたちは自分のクローン元、まだ人類が今のように集まり、出会い、猥雑に暮らしていた時代の自分が書いた手記を読み、それに注釈をつけて暮らしている。この小説では、未来のダニエル17の静かでほぼ何も起こらない様子と、クローン元の、性愛や欲望に振り回されながら、愛というはっきりしないものを求めるダニエル1の男性の手記が交互に現れる。遺伝子操作によって性愛や空腹を克服してしまった未来の人間には、読み返し、注釈をつけるべき初代の手記は、あまりにも遠く、理解し難いものになってしまっている。ダニエル1は、風刺演劇で名声を得た男だが、人類そのものにうんざりしている。にもかかわらず、性欲には振り回され、歳をとれば若い女が振り向いてくれないことに嫉妬し、苦しむ。不死となって救世主を待つという新興宗教を遊び半分に見に行って、結局信者となってしまう。私はこの作品が初ウェルベックだったが、4分の3ぐらいはうんざりしていた。なら読む意味はなかったかというとそんなことはなく、異性からの愛を求めるも、結局老いによって全て失った男が、最後に年老いた犬と暮らす部分の奇妙な穏やかさと、犬すら失ったとき、その犬と再会したいという、不死への願いがほんとうに自分のものとして現れる部分は、かなり鬼気迫るものがあってよかった。

行動分析学入門 杉山 尚子 (著), 島宗理 (著), 佐藤方哉 (著), リチャード・W. マロット (著), アリア・E・マロット (著)

行動分析学入門

行動分析学入門

  • 作者: 杉山尚子,島宗理,佐藤方哉,リチャード・W.マロット,アリア・E・マロット
  • 出版社/メーカー: 産業図書
  • 発売日: 1998/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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めちゃくちゃ実用的だった。 「動物がある行動をするかどうかは、前にその行動をした直後にどのようなことが起こったかによる」という明快な理論で、いかに人の問題行動を減らし、望ましい行動を増やすかについて書いてある。 この本(行動分析学)の気持ち良い所は、基本的に内面だとか心の闇の話をしないところで、学校で授業中に騒ぐ発達障害児の行動を分析するにも、心の闇やさびしさなどは、考えない。なぜ、授業中に騒ぐか。それは、騒げば注目という好子(その子にとって嬉しい物)が得られるからだ。ならば、その好子をなくしてしまうか、別の嫌なものに置き換えれば、その問題行動は起きなくなる、というある意味わかりやすすぎるほどわかりやすいアプローチで進んでいく。 その他にも、なぜ人は締め切り間際にならないとがんばれないのか、いつでもできることがいつまでもできないのはなぜか、という問題についても扱っている。 そんなの人間を機械扱いしているみたいで気に食わないという声もありそうだが、むしろ機械であるからこそ、思い通りにならない自分を自分でどうにかできそうだという希望にもなりうる。 ただ、この本にはひとつ欠点がある。豊富な例を元に、行動分析学的アプローチを説明してくれているのは、行動分析学をつかって行動分析学の教科書を書いてくれている感じがしてとても良いのだが、20年ほど前の本だけあってトランスジェンダーの振舞いの矯正という例が入ってしまっている。今読むと厳しい。それはちょっとつらい。

*1: オラオラ番長スタイルがここから始まっていたとは全然わからなかった。ペルソナシリーズや、能力バトルモノにすごい影響を与えていたことがわかる。