知性がない

なけなしの知性で生き延びていこうな

自分の破滅を生きる

 これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー16日目の記事です。

 今日は破滅の話をします。
 破滅といっても小規模にやるやつと大規模にやるやつと二種類あるけど、大規模なのはもううんざりでしょう、小規模にやるやつについて喋ります。

破滅とは

 人生、破滅してますか、してませんか。破滅してるやつらはこんなブログ読んだりしないか。破滅するならするで良いのだけど(良くないか)。
 人は大体破滅しきれなくて人生を続けている。過激な人ならそんな人生なんて惰性だと吐き捨てるかもしれない。人生が続くにも理由があって、破滅をやらないにも才覚がいるけれど破滅をやるにはもっと才覚がいる。

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 そもそも破滅とはなんだろうか。
 辞書を引けば、破滅とは「ほろびること。人格・家・国家などが成り立たなくなること。滅亡。」とある。人生を棒に振る、身を滅ぼすということか。

破滅(ハメツ)とは - コトバンク

 破滅は大体はなにかを放棄し、逃げ出すことから生まれる。眠剤かきこんだり、意識が混濁するまで酒を飲んだり、辛いとわかっていながらツイッターで喧嘩を売りまくったりね。これ以上並べ立てはしないけれど、人それぞれの無数の破滅が存在している。

破滅をやる理由

 なぜ人生を放棄するのか。その人の中ではすでに人生が棒に振られていると認識しているからだ。何かができなかったことによって人は自分の人生を捨てられたものと感じる。棒に振られた人生、どうしようもない人生。だから破滅をやる。そうすれば「この人生」でなく、どこか外側の景色が見られるかもしれないから。虚無と向き合い続けなくてもいいから。
 そんなの現実逃避じゃないかと言われればたしかにそうだ。けれど、どうだろうか。現実逃避でない生がありうるだろうか。破滅をやろうがやるまいが、人生の責任(と本人が思っているもの)を果たそうと果たさなくとも、虚無はそこにある。

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虚無とは今日の続きが延々と続く苦しみであり、破滅は虚無との(うまくいくことのない)たたかいである。
 酒を飲み続ける奴は酩酊することで現実を乗り切ろうとしている。TLを更新し続ける奴らは世界の外側を見せてくれる何かが流れてくることを期待している。全てを放棄して何かをやりつづけること自体が破滅ではあるけれど、それ自体が虚無とのたたかいである。

誰かの破滅、自分の破滅

 虚無のとのたたかい方は色々あるけれど、自分と違う方法で虚無とたたかっている人は破滅しつつある人と見分けがつくだろうか。
 毎日仕事に行っている人から見れば毎晩シコシコ怪しいブログを書いている人は狂気をわざわざ覗き込みに行く酔狂だし、夢を追っている人からみれば仕事でクソみたいに拘束されている人は脳をダメにしているように見える。

 人生のレールに乗って親となることをゴールだと考えている人から見れば結婚をしない人は緩やかに滅びに向かっているように見えるだろうけど、そうでない人からみれば権力構造のなかで役割を与えられる人生なんて破滅でしかない。

 人は虚無を回避することができない以上破滅を回避することもできない。人生が失われることに抵抗したいなら戦略的に破滅をやるしかない。

 と、こう口で言うのは簡単だけど私もその方法を探している。逃げずにうまいことレールに乗ることすら難しいのにね。
 たぶん、自分のためだけでなく、他人の虚無とまでたたかえるとよくて、それをやるには社会や言語について知る必要がある。

 脳を良くしてよく学んでよく考えるしかないってことです。うまいこと破滅していこう。

 

明日はホモソーシャルの話をする予定です。

2017/12/24 メリークリスマス。しました

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