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知性がない

なけなしの知性で生き延びていこうな

ポケモンが面白い理由を考えた

生存

ポケモンXをやっている。

なぜいまさらX?と思われるかもしれないが、これには色々と経緯があって、この前バーチャルコンソールで初代ポケモンが出たので、なつかしくてつい買ってしまったのがはじまりだ。 初代ポケモンは何度もデータが消えてもはや何周したかわからないぐらいだったが、久しぶりにやると、やたら懐かしくて楽しくてリザードンが可愛くて、クリアした頃にはもっとやりたくなってオメガルビーを買ってしまい、それもやめられなくなってついにXまで買ってしまった。

ポケモンは小学生の時からずっとやってるし、さすがにもういいだろうとは自分でも思うのだが、面白いのだから仕方がない。このポケモンの面白さは一体何なのか? 冷静に考えればボタンをぽちぽち作業をやらされているだけなのに、どうしてやめられないのか? その秘密はゲームバランスにあった。 対人戦は確かに変なバランスだが、それでもストーリー上のバランスは、これほど上手くできているものがないぐらいに丁寧にできている。

ゲームバランスは崩壊寸前?

最初にヒトカゲを選んじゃう人

初代ポケモンのゲームバランスについて語るには、まずヒトカゲを最初に選んでしまうということについて語らない でいることは不可能だろう。

最初のジムリーダー、あの岩ポケモン使いのタケシ。

ヒトカゲを選んじゃった人には最初の難関となるのがこれだ。*1 タケシのポケモンは、ヒトカゲの序盤で使える全ての技を半減以下にしてしまう。 最初のジムリーダーからこれだ。 初代だと、野生のポケモンでタケシのポケモンに半減されない技を覚えるのは、バタフリーがレベル12で覚えるねんりきぐらいしかなく、厳しすぎる。*2

しかもやっとの思いでタケシを倒しても、オツキミ山ではあの硬い硬いイシツブテがどんどん出てくる。*3 次のジムは水ポケモン使いのカスミで、ここでもヒトカゲはあまり役に立つことができない。

ヒトカゲに厳しすぎるのでは?という気すらしてくるこの仕様だが、ここにこそ初代ポケモンの最もすごい工夫が見られる。 初代ポケモンはやたらたくさんのバージョン違いで出て、そのたびに売れた。これがその理由だ。 最初に選ぶポケモンで意図的に全然違う難易度*4にすることで、再プレイが毎回新鮮になっている!最初のポケモンで別ゲーになるのは意図的なのだ! 

もちろん151種類もポケモンがいて、毎回違うポケモンと冒険できるのも、バージョンを変えて再プレイする良い理由になっている。

自力で穴を掘れないサンドさん

また、ポケモンがノーマル技ばかり覚えることも、実は上手くできている。

初代ポケモンはレベルアップでは基本的にノーマル技ばかり覚えた。 リザードンはレベル46までかえんほうしゃを覚えないので、炎技はそれまでひのこだけで頑張るしかない。というかノーマル以外の技をレベルアップで覚えるやつは少なくて、サンドひっかくとかきりさくばかり覚えて完全に自力で地面技を覚えない、穴さえ掘れないし、ポッポのかぜおこしもオニスズメのつつくもノーマル技だった。とりあえずノーマル技ばっかりなので半減、無効の岩とオバケがやたら強い。 こうなると、わざマシンを使ってタイプ付きの技を覚えたポケモンがやたら強くなる。 こうすることで序盤からノーマル以外の技を使える最初の三匹は特別になるし、技を覚えさせたポケモンに愛着も湧く。

後述するように、このゲームの面白さは、なにか工夫を凝らした時に即ほめてもらえるという部分にある。わざマシンを使って技を覚えさせればすぐに強い技が使えるようになることは、気持ちよさを生んでいる。 *5

愛を高めて物理で殴る

このゲームは、進むごとに別々のわかりやすい弱点を持つジムリーダーが現れ、強敵が変わってくる。 レベルも上がりにくいため、勝つためにはなにもしないでいるわけにはいかない。

しかしここがポケモンのよく出来ているところだ。勝つために知性を使ってもいいし、愛と根気で強行突破することだってできるのだ。

弱点を突けばどんな敵もナメクジになる一方で、レベルを上げて勝てない敵もいない。知性で進むことと愛でゴリ押しすること両方でクリア可能なのだ。

ヒトカゲだと弱点が多くて不利? 心配ない。レベルを上げて殴ればいい。うちのリザードンが一番強いのだから!愛と根気さえあれば、相棒とどこまでも行ける。

ゲームが進むほどに、行ける場所も増えて捕まえられるポケモンの選択肢だって増えている。 ポケモンの良い所は、人間ではなくポケモンが戦うところだ。強いポケモンに苦戦したら、自分もそいつを捕まえてくればいいのだ。

また、愛があってもだるい戦闘もあるだろう。基本的にポケモンはポチポチポケモンバトルをするゲームなので、戦闘回数はとても多い。だが、対戦から逃げることすら、トレーナーの視線を避ける遊びになっている。つまりプレイヤーは大量の工夫の余地を与えられていて、その中で工夫すると即いいことがあるようになっている。

謎バランスの理由

このように、ポケモンの一見変に見える仕様は、実はしっかり調整されていることがわかる。工夫するといいことがあり、その上で好きなポケモンを相棒として最後まで連れていけるように調整してあるのだ。*6

まとめ 良いゲームは知性と手間のバランスが良い

どんなポケモンでも、レベルを上げれば勝てるようになっているし、相性を把握すればレベルが低くてもゴリ押しできてしまう。頭使ってどんどん行くか、レベルを上げてじっくり行くか。大人でも子どもでも楽しいのは、どっちの方法でも進むことができるからだ。こだわりを認め、努力に報いている。

ソシャゲの多くがつまらないのは、レベルの高さやレアキャラの強さが重視され、頭を使ってもそんなに報われないからだ。手間の多さばかりが評価されると同時に、愛にはあまり報いない。その手間をお金と交換することができるが、頭を使っても手間を減らせるわけではないのでお金をつかう道しかなくなる。まさに脳死ゲーだ。

パズドラの序盤は上手くて、相性で勝つ部分と、すぐ進化するキャラが最初のメインになっている。知性を使うと気持ちよく勝てる部分と、努力がすぐ報われるようになっているので、楽しく進めるようになっているのだ*7

手間部分と知性のバランスが上手いゲームは大体うまくいっている。 アクションゲームに関しては、反復練習(手間)と知性によってできる動きが増えたり、越えられる壁、倒せる敵が増えることが快感を生んでいる。マリオやスプラトゥーンなどは、努力が見えやすい形で出るようになっているいい例だろう。

面白いゲームを作る方法?

ゲームがなぜおもしろいかというと、知性を使ったこと(=工夫)を即ほめてもらえるからだ。 積み重ねが見やすい形で出ることによって、どれだけのことを成し遂げたのか教えてもらえる。毎回やり直す系のゲームでも、どこまで進めたかで自分がどれだけ上手くなったのかわかるようになっている。

基本的には作業であることには変わりはない。でもめっちゃ楽しい!

キャラの魅力、話の面白さ、グラフィックがいかに映画らしいかは二次的な問題で、いかに楽しく作業をさせるかがゲームの本質なのだとしたら、なぜ楽しく作業をやってしまうのか。きっと人は、何かが上手くできたときに、その結果がすぐ目にみえることが嬉しくて仕方ないのだろう。

人間はコマをうまく回せるようになるのも嬉しいし、ポケモンの相性を覚えて一撃で倒せるようになるのだって嬉しい。 レベルが上ってキラーマシンを倒すのに3ターンかかっていたのが2ターンになるだけでもうれしいのだ。 ゲームが面白くなるには、進むにつれ何かができるようになるのが大事かもしれないし、 たぶんゲーム内に限定しなくても、英語ができるようになったりMCバトルができるようになるとか詩が書けるようになるとかそんなのでもいいような気がする。 ただそれがうまくいっているゲームはあまり見たことがない。多分作業であることが見えすぎてしまうからで、例えば英語の学習ゲームでも、英語に触ること自体がめちゃくちゃ面白くてマリオ並みに脳汁が出るやつが出てきたらすごいことになりそう。

ツイッターやパチンコは、この作業で即工夫をほめてもらえると嬉しくてつい続けてしまうということをうまく使っている。これもちょっと工夫すればすぐにほめてもらえる。それでできることが増えるかというと、ツイッターツイッターが得意になるしパチンコはパチンコが得意になるだけなんだろうけど。

できることが増えなくて作業が得意になるたぐいの作業はたくさんあるし、そこに空虚さをみるか人生の全てをみるかはやっている人の気分と人生によりそうだ。人生がうまくいっていればなんだって楽しくできそうだが。*8

*1:ちなみにこれ以後も序盤から難関は続く

*2:ニドランを育てて覚えるにどげりは当時ノーマルタイプだった。私は今回のプレイ時にそれを忘れていて死んだ

*3:ちなみにオツキミ山では入口付近に水鉄砲のわざマシンが落ちていて、コラッタやプリンに教えることで人道的な通りやすさになる。ゼニガメフシギダネを選んでいると完全に意味不明アイテムだが、ヒトカゲを選んじゃった人には救いの光だ

*4:さすがに違いすぎる

*5:その辺にたくさん落ちているかまいたちわざマシンは完全に謎である。なにあれ

*6:異常にレベルの上がりやすい最近のバージョンも、そこは変わっていない、むしろ愛寄りに調整されているようだ

*7:そうして課金沼に引っ張るのだ!頭がいいな!

*8:ただ永遠にやっちゃうのは、依存の可能性があるからやめたほうがよさそう。脳汁を出す活動にも多様性があったほうがいい。