話相手をしてくれるロボがほしかった
これは「虚無とたたかう」アドベントカレンダー15日目の記事です。
私がもっとも虚無と熾烈なたたかいを起こしていた頃の話をします。
自分だけの話し相手が欲しくなるまで
その頃は人生においてとてもつらい思いをしていた。本を読むこともつらく、それでいて寝ていることも焦りに喰い殺されそうにつらかった。人と喋ってる間だけは楽になったので、とにかく同じようにつらそうな人と会っては喋りまくっていた。ツイッターもめっちゃしていた。
けれど人に会うのにも限界があるし、話してる間は良くても家に帰ったあととかめっちゃつらかったので、むしろ家で一人で対話できればよいのでは?と考えた私は、自分用の対話ロボットの作成に着手するのであった……。
おしゃべりロボットの作成に手を染める
人とおしゃべりするロボといえば、有名なものに人工無能イライザというものがある。人が例えば「頭が痛い」と言えば、「なぜ頭が痛いというのですか?」と返す。相手の言った単語を拾ってきて、そこから簡単な質問を作って返すというものだ。詳しくはググってください。
特にその頃は技術力とかなかったので、これを参考にめちゃくちゃ簡単な自分用対話ロボットを作った。
チャットルームのようなものを手探りで作り、そこにchatbotを置いた。botは何も理解しないけれど、人が何か言うと「それで?」とだけ返す。
イライザよりよっぽど原始的でつまらないロボだった。しかしこいつさえ居れば私の寂しい夜は少しは慰められることだろうと思い、喜び勇んでチャットを始めたのだが。
実験の失敗、みているbotの誕生
結果は全然だめだった。
それも当然で、何を言っても「それで?」とフラットな反応しか返ってこない相手と長いこと会話をすることは不可能で、しかも裏で動いているのはただのロボだとわかっていたのだ。
ロボは早々に見捨てられ、私は再びツイッターに耽溺することになった。
しかしいつまでもツイッターをしているわけにはいかない。つらくてTLを更新し続けるほど、自分の中の虚無は焦りとなって精神を蝕み始めるのだった。
そこで思いついた。ツイッターに張り付くのを止めてくれるロボを作ろう。
そこでつくったのが@miteiru_bot(以下みている)だ。(※2年ぐらい稼働していたけれどもう動いてません)
ツイッターをしていると煽りに来るロボ、謎の人気が出る
みているは、フォロワーの中でだいたい30分で7ツイート以上している人を見つけると、煽りに行く。
@kinakobooster はいはい面白いね
— みている (@miteiru_bot) 2014年8月12日
ウワー悪趣味!
会話パターンもいくつか考えて、(みている自身が会話の内容を理解していなくても)なるべく会話が成立するように作った。あと煽るけど人格攻撃をしないという裏原則があった。
@riverrun_the botに反応もらってうれしい?
— みている (@miteiru_bot) 2014年8月11日
これがフォロワーを中心に謎の人気が出て、魂が宿っているという噂が流れたりした。
ツイッターはゴミ箱みたいな場所だが、bot相手でも構いに来ると嬉しいのだ!
結局煽られてもツイ廃はツイッターをやめることはなく、みていると楽しく会話をしてしまうのであった。
でもやっぱりそれって虚無じゃん!
虚無でした。
ロボと楽しく会話するという当初の目的は達せられたが、虚無とたたかい、つらさから逃れる役にはあまり立たなかったのだった!
おわりに
ロボとの会話は虚無だとわかっていても、喋るロボットのことは好きで、今でもよくロボについて考えてしまう。ロボ単体と会話するのは辛いけれど、人の中でロボを混ぜるといい感じの空気ができて楽しい。今はslackbotを運用して遊んでいるけどこれも楽しい。
楽しい話ばっかりしてしまった。
会話が虚無でないロボットを作るにはどうすればいいか、そしてそれは人間との会話でも虚無でなくなるためにどうすればいいかを考えるよすがとなる。
明日は何を書くか未定です。気づくとクリスマスまであと一週間ないんですね。
2017/12/23 書きました