知性がない

なけなしの知性で生き延びていこうな

読書

息苦しくなく文学をやる

私はいま短歌をやっていて、もう四年ぐらいになるかなあ、そろそろ短歌のことをよくわかりたい気持ちになってきたので、1月から『現代短歌の鑑賞101』を頭から写経している。 現代短歌の鑑賞101 (ハンドブック・シリーズ) 作者: 小高賢 出版社/メーカー: 新…

#読書週間 ジョー・ブスケ『傷と出来事』

私の語法が、私のうちで沈黙の権利しか与えられなかったものの全存在であれば良い(p.46) 読書週間は過ぎてしまったけど好きな本の話をしたいのでちょいちょい進めている。 傷と出来事作者: ジョー・ブスケ,谷口清彦,右崎有希出版社/メーカー: 河出書房新社発…

#読書週間 その1 サミュエル・ベケット『いざ最悪の方へ』

ツイッターでタグをふぁぼられた数だけ好きな本の話をするやつをやっていた。まあこういう機会があると、改めて自分の好きな本について考えるから良いんだと思う。 1.サミュエル・ベケット『いざ最悪の方へ』ベケットはやばくて、書くという行為によって自ら…

8〜9月面白かった映画・本

最近は灰汁を食べたりしています 世の中の隠されているものは、実は美味しすぎてその味にハマると依存症になって有害だから不味いということにされていると信じているので、灰汁取りを人にさせるのもそれが美味しすぎるて危険だからなのかもしれないと思って…

「どう命を取り押さえるかだよね」『吉増剛造自伝 素手で焔をつかみとれ!』

どう命を取り押さえるかだよね (『吉増剛造自伝 素手で焔をつかみとれ!』kindle版 位置1065) 焦らなくてもいいとよく言われる。 焦らなくてもいい、焦ってもどうしようもないし、事故が増えるだけだし、早死する。まあ正しい。毎日こんなことしてていいん…

空っぽの男が虚無のまま死ぬ!--ウェルベック『プラットフォーム』

この『プラットフォーム』の主人公は、虚無な男だ。 この主人公には本当にうんざりで、人生は空っぽだし、女と見るやセックスのことしか考えない。買春に生きがいを見つけているがそれも虚無だ。 小説は長く、半分ぐらいは退屈で、激しくて露骨でやたら長い…

『ユダヤ教の人間観――旧約聖書を読む』エーリッヒ・フロム

旧約聖書の注釈本。馴染みのない人には敬遠されるかもしれないが、異常に面白いし感動的なのでみんな読んで泣くといい。 ユダヤ教の人間観―旧約聖書を読む (河出・現代の名著)作者: エーリッヒフロム,Erich Fromm,飯坂良明出版社/メーカー: 河出書房新社発売…

マフィアと隣り合わせの暮らし『死都ゴモラ』

いわゆる裏社会もののノンフィクション。高度に資本化された企業マフィアをめぐる短い話がたくさん入っている。 死都ゴモラ---世界の裏側を支配する暗黒帝国 (河出文庫)作者: ロベルトサヴィアーノ,大久保昭男出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/10/…

最近読んでる短歌本

最近はこの記事を参考に短歌本をちまちま読んでいる。 ashnoa.hatenablog.com 3年近くも短歌をやっているというのに、短歌本はそんなにたくさん読んでいなくて、 はじめるときは『短歌という爆弾』と『かんたん短歌の作り方』、あと『短歌の友人』を読んで、…

『聴くということ』エーリッヒ・フロム

現代ではもう精神分析なんて意味が無くて、医療として行っている人はもう少ないし、精神病院でもやらないだろう。確かに、人を寝かせて好きなことを言わせていれば治るだなんて本当かどうかわからないし、フロイトは悪名高すぎるし、その後に続く人もドヤ顔…

ねこと考えること --保坂和志『猫に時間の流れる』

最近読んだ本です。 私は小説は苦手であまりたくさん読めないんだけど、保坂和志とか磯崎憲一郎とかの文章は考え事と温度が近いので、あまり疲れないで長いこと読んでいることができる。 保坂和志『猫に時間の流れる』 猫に時間の流れる (中公文庫)作者: 保…

最近読んだ本

最近は暑い 野うさぎ 野うさぎ (岩波現代選書 (97))作者: R.バーコヴィチ,邦高忠二出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1984/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る ナチス将校と、森で暮らす少年たちの話。全体像が見えない中でそれでもどこか…

青春の日陰者の話「やがて君になる」

「やがて君になる」というマンガが何がすごいのか書きました

最近読んだ本

先週読んだ本です やがて君になる 2巻 (電撃コミックスNEXT)" title="やがて君になる(2) (電撃コミックスNEXT)">やがて君になる(2) (電撃コミックスNEXT)作者: 仲谷鳰出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス発売日: 2016/04/27メディア: Ki…

最強のしおりを発見した

本読みにとって、本のページに印をつける道具は、欠かせないものだ。 紙のしおりはたいていの本には買った時からついているし、しおり紐が背表紙から出ている本まである。かわいいだけでなく、絶対に落ちないという実用性を兼ねた心強い読書の味方だ。 紙や…

最近ふれたもの

最近面白いものをたくさんみたので書いた。 キャロル 映画『キャロル』予告編 90秒ver 意志が弱い女が強い女との恋愛を経て意志が強くなる映画。 ババアが強くてガツガツしててよかった。映像もきれいだった。同じくレズビアンの恋愛映画だったアデルと比べ…

人に話を聞かせる話――多和田葉子『容疑者の夜行列車』

ものすごくどうでもいい話をものすごく面白く喋る人がいる。 いや、それは間違いで、全てのことは本質的にどうでもいいはずで。ただその喋る人や喋られていることに興味があるかどうか、もしかするとそれだけなのかもしれない。 飼っていた猫が子猫を産んだ…